精神疾患合併妊婦から出生した児の自宅退院困難に関連する要因の検討

背景:母親が精神疾患に罹患している場合,児が自宅退院困難となることが多い.そこで,精神疾患合併母体児における自宅退院困難と関連する要因を検討した. 方法:2009-2018年に当院に入院した精神疾患合併母体児184人を後方視的に検討した. 結果:退院時に乳児院入所もしくは特別養子縁組の転帰となった自宅退院困難群は6人(3.3%)であった.「シングルマザー」,「配偶者の精神疾患罹患」,「妊娠中の医療保護入院」の3因子が自宅退院困難群において有意に高率であった.自宅退院困難群との関連は,「シングルマザー」または/かつ「妊娠中の医療保護入院」がYouden Indexが最も高かった(感度100%,特...

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Published in日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 57; no. 3; pp. 494 - 498
Main Authors 京野, 由紀, 城戸, 拓海, 阿部, 真也, 藤岡, 一路, 芦名, 満理子, 仲宗根, 瑠花, 菅, 秀太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会 2021
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ISSN1348-964X
2435-4996
DOI10.34456/jjspnm.57.3_494

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Summary:背景:母親が精神疾患に罹患している場合,児が自宅退院困難となることが多い.そこで,精神疾患合併母体児における自宅退院困難と関連する要因を検討した. 方法:2009-2018年に当院に入院した精神疾患合併母体児184人を後方視的に検討した. 結果:退院時に乳児院入所もしくは特別養子縁組の転帰となった自宅退院困難群は6人(3.3%)であった.「シングルマザー」,「配偶者の精神疾患罹患」,「妊娠中の医療保護入院」の3因子が自宅退院困難群において有意に高率であった.自宅退院困難群との関連は,「シングルマザー」または/かつ「妊娠中の医療保護入院」がYouden Indexが最も高かった(感度100%,特異度81%). 結語:自宅退院が困難であることと最も関連する因子は「シングルマザー」または/かつ「妊娠中の医療保護入院」であり,これらを対象に積極的なサポートを検討する必要がある.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.57.3_494