高濃度人工炭酸泉浴における浸漬部位の違いが身体冷却に及ぼす影響
「1. 緒言」近年, 地球温暖による平均気温の上昇に伴い, 夏季の熱中症患者の増加が深刻な問題となっている. 高温, 高湿環境が熱放散効率を低下させ熱中症の危険度が高まると考えられており, 高体温時の迅速な対応が重要である. 身体冷却には様々な方法があり, 水浴, ファンクーリング, アイスパックによる冷却, アイススラリー摂取などがある. それらの中でも水浴は冷却効果が大きいことが知られている. 高濃度人工炭酸泉には皮膚血管収縮抑制作用があり, 浸漬部の皮膚血流量を高く維持することから, 皮膚温より低温の高濃度人工炭酸泉浴が深部熱を皮膚表面に循環させ熱放散を促進する可能性が報告されている....
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Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 25; no. 4; pp. 101 - 107 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生理人類学会
25.11.2020
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Subjects | |
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ISSN | 1342-3215 2432-0986 |
DOI | 10.20718/jjpa.25.4_101 |
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Summary: | 「1. 緒言」近年, 地球温暖による平均気温の上昇に伴い, 夏季の熱中症患者の増加が深刻な問題となっている. 高温, 高湿環境が熱放散効率を低下させ熱中症の危険度が高まると考えられており, 高体温時の迅速な対応が重要である. 身体冷却には様々な方法があり, 水浴, ファンクーリング, アイスパックによる冷却, アイススラリー摂取などがある. それらの中でも水浴は冷却効果が大きいことが知られている. 高濃度人工炭酸泉には皮膚血管収縮抑制作用があり, 浸漬部の皮膚血流量を高く維持することから, 皮膚温より低温の高濃度人工炭酸泉浴が深部熱を皮膚表面に循環させ熱放散を促進する可能性が報告されている. 運動後の水温20℃の高濃度人工炭酸泉前腕浴では, 身体が耐寒反応を起こし皮膚血管が収縮してしまい核心部に熱が蓄積する可能性, 水温33℃の高濃度人工炭酸泉前腕浴では, 水温が高すぎるため核心温は低下せず, 浸漬部位が不快に感じることが報告されている. |
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ISSN: | 1342-3215 2432-0986 |
DOI: | 10.20718/jjpa.25.4_101 |