バンコマイシン初回負荷投与における腎機能低下および正常患者に関する安全性の比較検討
「緒言」メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA)による菌血症, 呼吸器感染症(肺炎, 肺膿瘍, 膿胸), 感染性心内膜炎, 骨・関節感染症(化膿性骨髄炎・関節炎), 腹腔内感染症(腹膜炎), 中枢神経系感染症(髄膜炎), 発熱性好中球減少症などの治療には, バンコマイシン(vancomycin: VCM)が第一選択薬として推奨され, 広く使用されている. VCMは治療域が狭く中毒域が近接しているため安全で有効な治療を行うために, 治療薬物血中濃度モニタリング(therapeutic drug monito...
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Published in | 医療薬学 Vol. 49; no. 3; pp. 123 - 133 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.03.2023
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.49.123 |
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Summary: | 「緒言」メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA)による菌血症, 呼吸器感染症(肺炎, 肺膿瘍, 膿胸), 感染性心内膜炎, 骨・関節感染症(化膿性骨髄炎・関節炎), 腹腔内感染症(腹膜炎), 中枢神経系感染症(髄膜炎), 発熱性好中球減少症などの治療には, バンコマイシン(vancomycin: VCM)が第一選択薬として推奨され, 広く使用されている. VCMは治療域が狭く中毒域が近接しているため安全で有効な治療を行うために, 治療薬物血中濃度モニタリング(therapeutic drug monitoring: TDM)を行うことが推奨されている. 日本化学療法学会と日本TDM学会により, 平成28年6月に公表された抗菌薬TDMガイドライン改訂版(ガイドライン2016)では, 初回目標トラフ値は10~15μg/mLに設定することが推奨されている. 一方, 初回トラフ値15~20μg/mLを達成するためのいかなる投与設計も, 安全性に関する検証はされていないため推奨されていない. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.49.123 |