OSAS 患者における病勢マーカーとしての鼻腔 NO

近年, 呼気中一酸化窒素 (FENO) が喘息などの気道炎症性疾患において臨床応用されている. FENO は, 主に炎症やストレスによって気道上皮, 特に副鼻腔で産生される NO を反映しているため, 鼻腔の NO 濃度にも影響する. 鼻腔の閉塞や気流の変化が関与する閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) においても, FENO, 特に鼻腔 NO がその病態を反映することが推測される. 本検討では, OSAS が疑われた68症例を対象として鼻腔 NO の評価を行った. 経口 FENO に加えて経鼻 FENO も測定し, その差を鼻腔 NO と定義した. 鼻腔 NO は呼吸イベント指数 (REI...

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Published inStomato-pharyngology Vol. 30; no. 2; pp. 221 - 225
Main Authors 岩井, 大, 大岡, 久司, 安場, 広高, 河内, 理咲, 神田, 晃, 小林, 良樹, 朝子, 幹也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 10.06.2017
Japan Society of Stomato-pharyngology
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.30.221

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Summary:近年, 呼気中一酸化窒素 (FENO) が喘息などの気道炎症性疾患において臨床応用されている. FENO は, 主に炎症やストレスによって気道上皮, 特に副鼻腔で産生される NO を反映しているため, 鼻腔の NO 濃度にも影響する. 鼻腔の閉塞や気流の変化が関与する閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) においても, FENO, 特に鼻腔 NO がその病態を反映することが推測される. 本検討では, OSAS が疑われた68症例を対象として鼻腔 NO の評価を行った. 経口 FENO に加えて経鼻 FENO も測定し, その差を鼻腔 NO と定義した. 鼻腔 NO は呼吸イベント指数 (REI) 30以上の severe 群で有意に高値であったが, CPAP 治療導入後に低下した. 鼻腔 NO 上昇と OSAS の病態との関連が示唆され, 病勢マーカーとして臨床応用できる可能性がある.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.30.221