初回献血者の再来率にかかる影響の検討

献血者の効果的な確保に貢献するため初回献血者の再来にかかわる要因を解析した.2014年1月1日から1年間の初回献血者について,2年後までの再来の有無,年齢,体重,血色素量(Hb)などのデータを血液情報システムより抽出し,再来の有無と各項目について統計学的解析を行った.解析に使用したのは473,758人,2年以内に再来したのは167,805人(35.4%)であった.全体の単変量解析では男性,24歳未満,体重60kg以上,200ml全血献血(200WB),Hb14.7g/dl以上の場合に有意に再来が多かった.男性群の解析では24歳未満,体重65kg以上,200WB,Hb値15.4g/dl未満の場合...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 66; no. 5; pp. 671 - 679
Main Authors 井上, 慎吾, 小島, 牧子, 早坂, 勤, 高梨, 美乃子, 津野, 寛和, 小田嶋, 剛, 瀧川, 正弘, 中島, 一格, 杉森, 裕樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 05.10.2020
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.66.671

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Summary:献血者の効果的な確保に貢献するため初回献血者の再来にかかわる要因を解析した.2014年1月1日から1年間の初回献血者について,2年後までの再来の有無,年齢,体重,血色素量(Hb)などのデータを血液情報システムより抽出し,再来の有無と各項目について統計学的解析を行った.解析に使用したのは473,758人,2年以内に再来したのは167,805人(35.4%)であった.全体の単変量解析では男性,24歳未満,体重60kg以上,200ml全血献血(200WB),Hb14.7g/dl以上の場合に有意に再来が多かった.男性群の解析では24歳未満,体重65kg以上,200WB,Hb値15.4g/dl未満の場合に再来が多く,多変量解析にても同じ因子が有意であった.女性群の解析では,23歳未満,体重53kg以上,200WB,Hb値13.4g/dl以上の場合に再来が多く多変量解析でも同様であった.22歳以下の職業が学生であった169,463人について解析したところ,女性,18歳未満,体重58kg以上,初回200WBが再来に関与する因子であった.初回献血時年齢が上がるとともに再来率が減少する傾向を認めた.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.66.671