脳梗塞発症の頭蓋内椎骨動脈狭窄に対する血管拡張術の検討
「はじめに」椎骨脳底動脈狭窄病変はhemodynamicな要素により, 1度, 一過性脳虚血発作や脳梗塞をきたすとその後進行することがしばしば経験される. 治療は一般的に内服薬による保存的治療が第1選択と考えられるが, 症候性頭蓋内狭窄病変は脳梗塞再発が高率に起こり, 予後不良とする報告もあり6), 高度狭窄例や症状, 脳梗塞の進行する例には外科的治療も考慮されなければならない. しかしながら開頭による急性期の外科的血行再建は手術までの準備時間, 手術時間が長いこと, また, 全身麻酔が必要で高度な手技が要求されるなど一般的ではないと考えられる. 経皮的血管拡張術(PTA)は開頭による血行再建...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 37; no. 3; pp. 179 - 183 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2009
日本脳卒中の外科学会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.37.179 |
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Summary: | 「はじめに」椎骨脳底動脈狭窄病変はhemodynamicな要素により, 1度, 一過性脳虚血発作や脳梗塞をきたすとその後進行することがしばしば経験される. 治療は一般的に内服薬による保存的治療が第1選択と考えられるが, 症候性頭蓋内狭窄病変は脳梗塞再発が高率に起こり, 予後不良とする報告もあり6), 高度狭窄例や症状, 脳梗塞の進行する例には外科的治療も考慮されなければならない. しかしながら開頭による急性期の外科的血行再建は手術までの準備時間, 手術時間が長いこと, また, 全身麻酔が必要で高度な手技が要求されるなど一般的ではないと考えられる. 経皮的血管拡張術(PTA)は開頭による血行再建法に比べて, 短時間に血流再開を期待でき, また血行再建を必要とする患者は高齢者や種々の全身合併症を持つ場合が多いと考えられ, 局所麻酔下に施行できることもメリットであると考えられる. 今回, 脳梗塞にて発症した症候性頭蓋内椎骨動脈狭窄のうち, PTAを施行した6例について, その発症形式の特徴について検討した. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.37.179 |