PCPSを用いた気管ステント留置術の麻酔経験

食道癌術後の胃管気管瘻を有する67歳の男性に対して,経口的に硬性鏡を用いたYステントの挿入が予定された.術式により,手術中は気管チューブを抜去するため,PCPS併用にて全身麻酔を行う計画を立てた.脊髄くも膜下麻酔下に右大腿動静脈にPCPSの送・脱血管を挿入し,麻酔導入後,経口挿管を行い麻酔維持した.術野より右主気管支に気管チューブを挿入し,右片肺換気にて経口的にYステントを留置した.留置中,右手指のSpO2が94%まで低下した.経口再挿管を行い,人工呼吸を開始後,右手SpO2も100%に戻り,PCPSから離脱し覚醒後抜管した.脊髄くも膜下麻酔と術野挿管による人工呼吸管理を用いて,PCPS補助下...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 37; no. 1; pp. 25 - 28
Main Authors 堀下, 貴文, 土山, 玲子, 川崎, 貴士, 緒方, 裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2017
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.37.25

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Summary:食道癌術後の胃管気管瘻を有する67歳の男性に対して,経口的に硬性鏡を用いたYステントの挿入が予定された.術式により,手術中は気管チューブを抜去するため,PCPS併用にて全身麻酔を行う計画を立てた.脊髄くも膜下麻酔下に右大腿動静脈にPCPSの送・脱血管を挿入し,麻酔導入後,経口挿管を行い麻酔維持した.術野より右主気管支に気管チューブを挿入し,右片肺換気にて経口的にYステントを留置した.留置中,右手指のSpO2が94%まで低下した.経口再挿管を行い,人工呼吸を開始後,右手SpO2も100%に戻り,PCPSから離脱し覚醒後抜管した.脊髄くも膜下麻酔と術野挿管による人工呼吸管理を用いて,PCPS補助下に安全な麻酔管理を行うことができた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.37.25