膵神経内分泌腫瘍との鑑別が困難であったparagangliomaの2例

膵頭部に発生したparaganglioma(PG)2例について報告する.自験2例はいずれも腹部超音波検査にて膵頭部に約10mm大の低エコー腫瘤を認め,造影CTにて早期濃染を呈する多血性腫瘤であった.画像所見から膵神経内分泌腫瘍(PNET)を疑いEUS-FNAを施行したが,症例1は検体不十分であり,症例2はPNETまたはPGが疑われた.外科切除を施行し,術後病理診断はいずれもPGであった.PGはPNETと類似した画像的特徴をもち,術前診断において鑑別に苦慮することがある.また,カテコールアミン過剰症状を引き起こすリスクがあることから,穿刺の適応を慎重に判断すべきと考える....

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Published in膵臓 Vol. 32; no. 1; pp. 71 - 77
Main Authors 瀧川, 有記子, 長峯, 理子, 浦田, 孝広, 竹熊, 与志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.02.2017
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.32.71

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Summary:膵頭部に発生したparaganglioma(PG)2例について報告する.自験2例はいずれも腹部超音波検査にて膵頭部に約10mm大の低エコー腫瘤を認め,造影CTにて早期濃染を呈する多血性腫瘤であった.画像所見から膵神経内分泌腫瘍(PNET)を疑いEUS-FNAを施行したが,症例1は検体不十分であり,症例2はPNETまたはPGが疑われた.外科切除を施行し,術後病理診断はいずれもPGであった.PGはPNETと類似した画像的特徴をもち,術前診断において鑑別に苦慮することがある.また,カテコールアミン過剰症状を引き起こすリスクがあることから,穿刺の適応を慎重に判断すべきと考える.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.32.71