嚥下障害のリハビリテーション

「1. はじめに」超高齢社会を迎え, 摂食嚥下障害は大きな問題となっている. リハビリテーション(以下リハビリ)は嚥下障害を評価してゴールを決め, 治療方針を立てる重要な治療である. 一方でリハビリは障害を扱う医学であり, 機能障害としての嚥下障害のみならず, 活動, 環境など包括的に個人をとらえる必要がある. そのため, 治療には訓練, 代償, 環境改善など様々な方法がある. 嚥下障害のリハビリは全身状態を考慮して誤嚥を予防し, リスク管理を行って安全な経口摂取を目指している. 嚥下障害を評価して病態にあわせて適切な治療法を組み合わせる必要があり, 中心となる訓練においては, 強度, 量や効...

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Published in喉頭 Vol. 32; no. 1; pp. 20 - 28
Main Authors 藤島, 一郎, 倉智, 雅子, 巨島, 文子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.06.2020
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.32.20

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Summary:「1. はじめに」超高齢社会を迎え, 摂食嚥下障害は大きな問題となっている. リハビリテーション(以下リハビリ)は嚥下障害を評価してゴールを決め, 治療方針を立てる重要な治療である. 一方でリハビリは障害を扱う医学であり, 機能障害としての嚥下障害のみならず, 活動, 環境など包括的に個人をとらえる必要がある. そのため, 治療には訓練, 代償, 環境改善など様々な方法がある. 嚥下障害のリハビリは全身状態を考慮して誤嚥を予防し, リスク管理を行って安全な経口摂取を目指している. 嚥下障害を評価して病態にあわせて適切な治療法を組み合わせる必要があり, 中心となる訓練においては, 強度, 量や効果を客観的に評価し, フィードバックする治療が行われている. また, ニューロリハビリなどの治療法も広く施行されるようになった. 適切な治療を選択するにはエビデンスに基づく必要があるが, リハビリ領域ではエビデンスのある治療は多くない.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.32.20