北関東におけるJr(a-)型献血者の検出頻度と抗Jra保有率について

Jr(a-)型は,まれな血液型の中で最も供給頻度が高い血液型である.我々は北関東約40万人の献血者にJra抗原のスクリーニング検査を行いJr(a-)型の頻度と抗Jra保有率,及び抗体価の分布について検討した.検出したJr(a-)型は男性が献血者238,797中134人,女性が159,263中104人,計238人で検出頻度は0.06%で男女差はなく,他地域との差も認めなかった.また,抗Jraを保有するJr(a-)型は35人(33.7%)で,すべて女性で,妊娠・出産による免疫抗体と考えられた.これらの献血者が保有する不規則抗体は33人(94.3%)が抗Jra単一の抗体であった.抗Jraの抗体価は8...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 64; no. 3; pp. 525 - 528
Main Authors 稲葉, 頌一, 榎本, 隆行, 小原, 久美, 岡崎, 晃士, 峰岸, 清, 佐藤, 博美, 五十嵐, 寛幸, 松田, 充俊, 神戸, 考裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 30.06.2018
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.64.525

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Summary:Jr(a-)型は,まれな血液型の中で最も供給頻度が高い血液型である.我々は北関東約40万人の献血者にJra抗原のスクリーニング検査を行いJr(a-)型の頻度と抗Jra保有率,及び抗体価の分布について検討した.検出したJr(a-)型は男性が献血者238,797中134人,女性が159,263中104人,計238人で検出頻度は0.06%で男女差はなく,他地域との差も認めなかった.また,抗Jraを保有するJr(a-)型は35人(33.7%)で,すべて女性で,妊娠・出産による免疫抗体と考えられた.これらの献血者が保有する不規則抗体は33人(94.3%)が抗Jra単一の抗体であった.抗Jraの抗体価は8倍から512倍まで分布しており最も多いのは256倍の12名であった.35例の抗Jraのうち,IgGサブクラスを分類することができた14例は,すべてIgG1陽性で3例はIgG3弱陽性の共存例であった.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.64.525