起震車を使用した人工地震後の動揺感についての検討

「背景」2011年3月11日に起きた東日本大震災は未曽有の被害をもたらし2013年10月現在でもまだ余震はおさまっていない1)2). この震災の後, 実際は地震が起きていないにもかかわらず, 地面や体が揺れているような症状を自覚し, 医療機関を受診する者が少なからず見受けられた. この現象は「地震酔い」または, 「地震後めまい症候群(Post earthquake dizziness syndrome)」と呼ばれる症状で, その原因は未だ不明である3)~5). 起震車(地震体験車)を使用した建築物や機材の耐震実験は様々な施設で行われているが, 人間に地震刺激を与え, 刺激終了後どれくらい外界の...

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Published inEquilibrium Research Vol. 72; no. 6; pp. 459 - 466
Main Author 正木, 義男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 2013
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.72.459

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Summary:「背景」2011年3月11日に起きた東日本大震災は未曽有の被害をもたらし2013年10月現在でもまだ余震はおさまっていない1)2). この震災の後, 実際は地震が起きていないにもかかわらず, 地面や体が揺れているような症状を自覚し, 医療機関を受診する者が少なからず見受けられた. この現象は「地震酔い」または, 「地震後めまい症候群(Post earthquake dizziness syndrome)」と呼ばれる症状で, その原因は未だ不明である3)~5). 起震車(地震体験車)を使用した建築物や機材の耐震実験は様々な施設で行われているが, 人間に地震刺激を与え, 刺激終了後どれくらい外界の「揺れている感覚」が持続するか検討した実験は今までなかった. 今回は起震車を使用し, 健常成人に様々な震度や状況で人工地震を体験してもらい, 地震刺激終了から地面(床)の「揺れている感覚」が無くなるまでの時間を測定した.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.72.459