T3切除可能膵癌に対するGS併用療法による術前化学療法の安全性
本邦で行われたPrep-02/JSAP05試験の結果をもとに,切除可能膵癌に対する術前化学療法が広く行われるようになり,無再発生存期間,生存期間の延長が期待される一方で,有害事象による治療延期から切除の機会を逸する可能性もあり,術前治療を安全に施行することが重要である.当院のT3切除可能膵癌に対する術前ゲムシタビン+S-1(GS)併用療法22例の検討では,術前化学療法のGrade 3以上の有害事象は好中球減少56.5%,発熱性好中球減少症4.3%,血小板減少8.7%に加えて,口腔粘膜炎8.7%,皮疹4.3%を認めた.有害事象による術前化学療法中止例も17.4%にみられたが,術前化学療法中止例を...
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Published in | 膵臓 Vol. 36; no. 1; pp. 29 - 35 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本膵臓学会
28.02.2021
日本膵臓学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0913-0071 1881-2805 |
DOI | 10.2958/suizo.36.29 |
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Summary: | 本邦で行われたPrep-02/JSAP05試験の結果をもとに,切除可能膵癌に対する術前化学療法が広く行われるようになり,無再発生存期間,生存期間の延長が期待される一方で,有害事象による治療延期から切除の機会を逸する可能性もあり,術前治療を安全に施行することが重要である.当院のT3切除可能膵癌に対する術前ゲムシタビン+S-1(GS)併用療法22例の検討では,術前化学療法のGrade 3以上の有害事象は好中球減少56.5%,発熱性好中球減少症4.3%,血小板減少8.7%に加えて,口腔粘膜炎8.7%,皮疹4.3%を認めた.有害事象による術前化学療法中止例も17.4%にみられたが,術前化学療法中止例を含め,全例で外科切除に至った.R0切除率は95.7%という結果であった一方で,Grade 3以上の好中球減少,口腔粘膜炎や皮疹がみられ,適切な有害事象管理が求められることに留意が必要である. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.36.29 |