骨髄移植片に含まれる有核細胞数測定法の施設間差の検討

非血縁者間骨髄移植においてドナー骨髄全有核細胞(total nucleated cells,TNC)数や生細胞率は重要な情報であるが,その測定方法は施設間で統一されていない.TNC数および生細胞率測定に関して,各施設の方法の調査および施設間差の有無について検討した.日本輸血・細胞治療学会細胞治療委員会委員の所属施設10施設で行われた非血縁者間同種骨髄移植のために搬送された骨髄液について,容量と有核細胞数濃度の測定方法,生細胞率測定の有無および方法,採取施設で測定されたTNC数,移植施設で測定し直したTNC数,抗凝固剤に関するアンケートを行い,計797件のデータが回収された.採取施設と移植施設で...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 63; no. 2; pp. 120 - 125
Main Authors 酒井, 紫緒, 渡邊, 直英, 梶原, 道子, 上田, 恭典, 高橋, 典子, 岸野, 光司, 伊藤, 経夫, 松本, 真弓, 原口, 京子, 田野崎, 隆二, 高梨, 美乃子, 池田, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 20.04.2017
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.63.120

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Summary:非血縁者間骨髄移植においてドナー骨髄全有核細胞(total nucleated cells,TNC)数や生細胞率は重要な情報であるが,その測定方法は施設間で統一されていない.TNC数および生細胞率測定に関して,各施設の方法の調査および施設間差の有無について検討した.日本輸血・細胞治療学会細胞治療委員会委員の所属施設10施設で行われた非血縁者間同種骨髄移植のために搬送された骨髄液について,容量と有核細胞数濃度の測定方法,生細胞率測定の有無および方法,採取施設で測定されたTNC数,移植施設で測定し直したTNC数,抗凝固剤に関するアンケートを行い,計797件のデータが回収された.採取施設と移植施設でTNC数算出に至る方法全てが一致している施設はなかった.採取施設と移植施設双方のデータが揃っている512件についてTNC数の2群間比較を行ったところ,算出されたTNC数は採取施設と移植施設間で高い相関はあるものの,最大約3倍の施設間差がある症例もあった.この原因はTNC数測定方法が施設ごとに様々であるためと考えられ,TNC数測定方法標準化の必要性について検討が必要である.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.63.120