胆道癌に対する化学療法の現状と今後の展望

英国と日本で実施されたゲムシタビン(GEM)単独とGEM+シスプラチン併用療法(GC療法)のランダム化比較試験の結果,GC療法群で有意な生存期間の延長が確認された.現在,GC療法が切除不能胆道癌の標準治療と位置付けられている.一方,わが国においてGEM+S-1併用療法(GS療法)とS-1単独によるランダム化第II相試験が行われ,GS療法でより有望な治療成績が得られたことから,現在GC療法とGS療法による第III相試験が実施されている.次の課題として2次治療および術後補助療法の確立が挙げられる.これまで2次化学療法の標準治療は確立していないが,新規分子標的薬を始めとする早期臨床試験が進められてい...

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Published in胆道 Vol. 28; no. 1; pp. 43 - 48
Main Author 古瀬, 純司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.03.2014
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.28.43

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Summary:英国と日本で実施されたゲムシタビン(GEM)単独とGEM+シスプラチン併用療法(GC療法)のランダム化比較試験の結果,GC療法群で有意な生存期間の延長が確認された.現在,GC療法が切除不能胆道癌の標準治療と位置付けられている.一方,わが国においてGEM+S-1併用療法(GS療法)とS-1単独によるランダム化第II相試験が行われ,GS療法でより有望な治療成績が得られたことから,現在GC療法とGS療法による第III相試験が実施されている.次の課題として2次治療および術後補助療法の確立が挙げられる.これまで2次化学療法の標準治療は確立していないが,新規分子標的薬を始めとする早期臨床試験が進められている.術後補助療法としては,わが国において胆管癌を対象としたGEMによる第III相試験の登録が終了しており,さらに胆道癌を対象としたS-1による第III相試験が実施されている.今後術後補助療法の標準治療の確立が期待される.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.28.43