有限の地表面に沈着した放射性核種からの線量率の簡易計算法
「I 緒論」原子炉事故等により放射性物質が環境中に放出され地表に沈着すると, 放射能濃度が増大して線量率が増加する. 現場測定により, 放射能影響を定量的に明らかにすることが最重要であるが, 放射能の測定結果に基づいて計算により線量を推定して補完する必要もある. 環境中の線量率を低減させるための施策を検討する場合, その効果を的確に予測する必要がある. これらに対処するためには, 任意境界条件の設定が可能で高精度な予測が期待できる詳細モンテカルロコードを用いることが望ましいが, 計算技術に精通した専門家の確保や計算準備, 計算時間がネックになることがある. 点減衰核積分法等の簡易計算法の使用も...
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| Published in | 保健物理 Vol. 55; no. 3; pp. 119 - 135 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本保健物理学会
20.10.2020
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| Subjects | |
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| ISSN | 0367-6110 1884-7560 |
| DOI | 10.5453/jhps.55.119 |
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| Summary: | 「I 緒論」原子炉事故等により放射性物質が環境中に放出され地表に沈着すると, 放射能濃度が増大して線量率が増加する. 現場測定により, 放射能影響を定量的に明らかにすることが最重要であるが, 放射能の測定結果に基づいて計算により線量を推定して補完する必要もある. 環境中の線量率を低減させるための施策を検討する場合, その効果を的確に予測する必要がある. これらに対処するためには, 任意境界条件の設定が可能で高精度な予測が期待できる詳細モンテカルロコードを用いることが望ましいが, 計算技術に精通した専門家の確保や計算準備, 計算時間がネックになることがある. 点減衰核積分法等の簡易計算法の使用も考えられるが, やはり計算技術に精通した人の確保がネックである. 原子力施設の事故等により放射性物質が大気中に放出された後は, できるだけ速やかに環境影響を推定する必要がある. |
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| ISSN: | 0367-6110 1884-7560 |
| DOI: | 10.5453/jhps.55.119 |