採取前日の末梢血CD34陽性細胞比率による末梢血幹細胞採取量の予測

末梢血幹細胞は造血幹細胞移植の移植ソースとして重要であり,採取の成否は患者の予後に大きく影響する.我々は自家末梢血幹細胞採取を行った245例,延べ330回の採取のうち,採取前日末梢血CD34陽性細胞数(前日PBCD34)および当日の末梢血CD34陽性細胞数(当日PBCD34)を測定できた80例,101回の採取を解析し,前日PBCD34を用いて翌日の幹細胞採取量を予測できるか否かを検討した.採取前日までにわかる因子と前日PBCD34,および前日白血球数との比(前日PBCD34(%))を用いて多変量解析を行ったところ,1.0×106/kg以上の末梢血幹細胞採取に影響を与える因子として前日PBCD3...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 62; no. 4; pp. 552 - 559
Main Authors 須佐, 梢, 滝沢, 牧子, 外山, 耕太郎, 関上, 智美, 神保, 貴宏, 唐沢, 正光, 小倉, 秀充, 磯田, 淳, 横濱, 章彦, 入内島, 裕乃, 橋本, 陽子, 半田, 寛, 三井, 健揮, 丸橋, 隆行, 山根, 有人, 石川, 怜依奈, 西本, 奈津美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2016
日本輸血・細胞治療学会
Subjects
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.62.552

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Summary:末梢血幹細胞は造血幹細胞移植の移植ソースとして重要であり,採取の成否は患者の予後に大きく影響する.我々は自家末梢血幹細胞採取を行った245例,延べ330回の採取のうち,採取前日末梢血CD34陽性細胞数(前日PBCD34)および当日の末梢血CD34陽性細胞数(当日PBCD34)を測定できた80例,101回の採取を解析し,前日PBCD34を用いて翌日の幹細胞採取量を予測できるか否かを検討した.採取前日までにわかる因子と前日PBCD34,および前日白血球数との比(前日PBCD34(%))を用いて多変量解析を行ったところ,1.0×106/kg以上の末梢血幹細胞採取に影響を与える因子として前日PBCD34と前日PBCD34(%)が抽出された.前日PBCD34(%)と採取CD34陽性細胞数(≥1×106/kg)のReceiver Operating Characteristic曲線の解析では,area under the curveが0.93と前日PBCD34(%)は有意に高い正確性をもって採取量を予測できた(p=0.025).
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.62.552