肝切除を含めた集学的治療により長期予後を得られた子宮体部癌肉腫の1例

「緒言」 子宮体部癌肉腫は癌腫成分と肉腫成分が混在した悪性腫瘍である. その頻度は子宮悪性腫瘍の5%以下と報告され, 比較的まれである. また子宮体部癌肉腫は浸潤性が高く5年生存率が33~39%と予後不良で, 子宮体部悪性腫瘍による死因の15%を占める. さらに子宮癌肉腫の治療法は未だに確立されていない. 今回, われわれは子宮体部癌肉腫の肝転移に対し肝切除を施行し長期予後を得られた1例を経験したので報告する. 「症例」 69歳, 女性. 主訴:上腹部痛. 現病歴:子宮癌肉腫術後, 腹腔内再発及び盲腸癌を認め, 回盲部切除術, 小腸部分切除術, 腫瘍摘出術を施行されている. 今回, 腹部CT検...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 15; no. 1; pp. 32 - 37
Main Authors 平方, 敦史, 関, 奈紀, 上田, 純志, 吉田, 寛, 牧野, 浩司, 横山, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 15.02.2019
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.15.32

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Summary:「緒言」 子宮体部癌肉腫は癌腫成分と肉腫成分が混在した悪性腫瘍である. その頻度は子宮悪性腫瘍の5%以下と報告され, 比較的まれである. また子宮体部癌肉腫は浸潤性が高く5年生存率が33~39%と予後不良で, 子宮体部悪性腫瘍による死因の15%を占める. さらに子宮癌肉腫の治療法は未だに確立されていない. 今回, われわれは子宮体部癌肉腫の肝転移に対し肝切除を施行し長期予後を得られた1例を経験したので報告する. 「症例」 69歳, 女性. 主訴:上腹部痛. 現病歴:子宮癌肉腫術後, 腹腔内再発及び盲腸癌を認め, 回盲部切除術, 小腸部分切除術, 腫瘍摘出術を施行されている. 今回, 腹部CT検査にて多発肝腫瘍を指摘され精査加療目的にて入院となる. 既往歴 55歳時, 網膜色素変性症(盲目). 61歳時, 子宮体部癌の診断で子宮全摘術, 両側付属器切除, 骨盤内リンパ節郭清し, 病理検査で癌肉腫と診断された. 病期はpT1c N0(pStage Ic).
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.15.32