高位頸動脈狭窄病変に対する頸動脈血栓内膜剥離術の問題点と手術手技

「はじめに」頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)は, 頸動脈高度狭窄性病変に対する治療法として有効性が証明された治療法である1)6)7)13)15). 一方. 近年の血管内手術の進歩により, とくにCEAが困難と考えられる症例(超高齢者, 全身麻酔不適応, 高位病変, CEA後再狭窄, 放射線照射後狭窄など)に対しては, 血管内ステント留置術が選択される傾向にあり17), その有用性も報告されている22). CEA手術手技上の最大のポイントは, 内頸動脈末梢端のプラーク段端の処置であり, このためには内頸動脈を末梢側に向けて十分に剥離・確保する必要がある. CEAにおける手術困難の目安となる高位病変...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 36; no. 3; pp. 163 - 167
Main Authors 桑山, 直也, 林, 央周, 堀, 恵美子, 松村, 内久, 栗本, 昌紀, 遠藤, 俊郎, 秋岡, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2008
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.36.163

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Summary:「はじめに」頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)は, 頸動脈高度狭窄性病変に対する治療法として有効性が証明された治療法である1)6)7)13)15). 一方. 近年の血管内手術の進歩により, とくにCEAが困難と考えられる症例(超高齢者, 全身麻酔不適応, 高位病変, CEA後再狭窄, 放射線照射後狭窄など)に対しては, 血管内ステント留置術が選択される傾向にあり17), その有用性も報告されている22). CEA手術手技上の最大のポイントは, 内頸動脈末梢端のプラーク段端の処置であり, このためには内頸動脈を末梢側に向けて十分に剥離・確保する必要がある. CEAにおける手術困難の目安となる高位病変とは, 頸動脈プラークが第2頸椎体に及ぶ症例とされている5). 高位頸動脈狭窄病変に対するCEAの手術手技上の問題点に関して検討した. 「対象と方法」対象は2001年1月から2006年10月までに当科でCEAまたはステント留置術を行った頸動脈高度狭窄症83例中, CEAを施行した39例である. これらの症例のうち狭窄性病変が第2頸椎にかかる高位病変(Fig. 1)を有していた症例は10例であった(Table 1).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.36.163