IgG4関連硬化性胆管炎におけるトピックス

IgG4硬化性胆管炎(IgG4-SC)はIgG4関連疾患の胆道病変と考えられている.診断は画像所見,高IgG4血症,胆管外のIgG4関連疾患の存在および胆管壁の病理組織学所見に基づくIgG4-SC臨床診断基準2012で可能である.IgG4-SCは時に原発性硬化性胆管炎(PSC)あるいは胆管癌との鑑別診断が困難な場合がある.最近IgG4-SCの診療ガイドラインが作成された.胆管像分類は鑑別診断に有用である.下部胆管狭窄では胆管癌および膵癌を鑑別する.肝門部領域の狭窄を示す場合には,PSC,胆管癌および濾胞性胆管炎を鑑別する.治療はステロイド治療が標準治療であり,経口プレドニゾロン0.6mg/kg...

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Published in胆道 Vol. 33; no. 1; pp. 22 - 31
Main Author 西野, 隆義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 25.03.2019
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.33.22

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Summary:IgG4硬化性胆管炎(IgG4-SC)はIgG4関連疾患の胆道病変と考えられている.診断は画像所見,高IgG4血症,胆管外のIgG4関連疾患の存在および胆管壁の病理組織学所見に基づくIgG4-SC臨床診断基準2012で可能である.IgG4-SCは時に原発性硬化性胆管炎(PSC)あるいは胆管癌との鑑別診断が困難な場合がある.最近IgG4-SCの診療ガイドラインが作成された.胆管像分類は鑑別診断に有用である.下部胆管狭窄では胆管癌および膵癌を鑑別する.肝門部領域の狭窄を示す場合には,PSC,胆管癌および濾胞性胆管炎を鑑別する.治療はステロイド治療が標準治療であり,経口プレドニゾロン0.6mg/kg/日を2~4週間投与後漸減する.ほとんどの場合ステロイド治療が奏功するが,ステロイド治療後胆管像に程度の差があるが狭窄が残存することもある.予後はおおむね良好と考えられるが,長期予後は不明である.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.33.22