化学療法が効果なく放射線照射療法が奏功した子宮体部原発神経内分泌小細胞癌の1例

子宮体部原発の神経内分泌小細胞癌は非常に稀な疾患であり, 早期に転移・再発を来し難治性であるため, 予後不良とされている。今回我々は術後化学療法中に再発し, 放射線照射療法が奏功したと思われる1例を経験したので報告する。 症例は50歳。月経より持続する性器出血および貧血を主訴に来院。膣腔内に壊死した筋腫分娩様組織塊を認めた。腫瘍は子宮体部~頸部・膣部に達しており, PET-CTにて左内腸骨リンパ節転移の疑いあり。子宮体癌Ⅲc期の診断にて, 単純子宮全摘術, 骨盤リンパ節郭清施行。病理診断にて神経内分泌小細胞癌, 左骨盤内リンパ節転移あり。Irinotecan, Nedaplatinを使用し化学...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 62; no. 5; pp. 768 - 772
Main Authors 木村, 直美, 佐々, 治紀, 福山, 隆一, 水野, 輝子, 池内, 政弘, 竹下, 奨, 小崎, 章子, 松川, 泰, 大渓, 有子, 樋口, 和宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2014
日本農村医学会
Subjects
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.62.768

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Summary:子宮体部原発の神経内分泌小細胞癌は非常に稀な疾患であり, 早期に転移・再発を来し難治性であるため, 予後不良とされている。今回我々は術後化学療法中に再発し, 放射線照射療法が奏功したと思われる1例を経験したので報告する。 症例は50歳。月経より持続する性器出血および貧血を主訴に来院。膣腔内に壊死した筋腫分娩様組織塊を認めた。腫瘍は子宮体部~頸部・膣部に達しており, PET-CTにて左内腸骨リンパ節転移の疑いあり。子宮体癌Ⅲc期の診断にて, 単純子宮全摘術, 骨盤リンパ節郭清施行。病理診断にて神経内分泌小細胞癌, 左骨盤内リンパ節転移あり。Irinotecan, Nedaplatinを使用し化学療法6コース施行するも右骨盤内リンパ節転移あり。Paraplatin, Taxolを使用しさらに3コース化学療法施行するも, リンパ節転移は増大し, 無効と判断。骨盤リンパ節転移に対し放射線照射施行。照射半年後にはリンパ節転移は認められなくなった。現在再発・転移を認めず経過観察中である。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.62.768