十二指腸閉塞を伴う膵癌に対する消化管バイパス術の有効性と適応について

【目的】十二指腸閉塞を伴う膵癌に対する消化管バイパス術の適応を検討した.【対象と方法】バイパス術を施行した39例を対象とし,3群(good:十分な経口摂取ができ退院できた,poor:術後一度も満足に食べられず退院もできない,fair:術後一度は食べることができた,あるいは補液を併用し退院できた)に分類した.【結果】21例(54%)が術後一度は1000kcal/日以上摂取できた.7例(18%)は一度も経口摂取ができず,これを含めた12例(31%)が在院死した.判定は,good 14例(36%),poor 10例(26%),fair 15例(38%)であった.局所進行例に比して遠隔転移例にはpoo...

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Published in膵臓 Vol. 28; no. 1; pp. 62 - 66
Main Authors 橋本, 雅司, 渡邊, 五朗, 松田, 正道, 佐々木, 一成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2013
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.28.62

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Summary:【目的】十二指腸閉塞を伴う膵癌に対する消化管バイパス術の適応を検討した.【対象と方法】バイパス術を施行した39例を対象とし,3群(good:十分な経口摂取ができ退院できた,poor:術後一度も満足に食べられず退院もできない,fair:術後一度は食べることができた,あるいは補液を併用し退院できた)に分類した.【結果】21例(54%)が術後一度は1000kcal/日以上摂取できた.7例(18%)は一度も経口摂取ができず,これを含めた12例(31%)が在院死した.判定は,good 14例(36%),poor 10例(26%),fair 15例(38%)であった.局所進行例に比して遠隔転移例にはpoorが有意に多く認められた(p=0.028).【結論】消化管閉塞を伴う遠隔転移例はバイパス術を行っても満足な結果が得られない.局所進行例ではバイパス術の効果が期待できると考えられた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.28.62