頸動脈内膜剥離術における超音波検査による動脈壁形態の術中評価

術中モニタリングを手技による術中および術後合併症を予防するためのフィードバックシステムととらえるならば, 頸動脈内膜剥離術(CEA)において脳波5), 体性感覚誘発電位7), 経頭蓋ドップラー10), などが術中脳虚血のチェックを含めた脳循環の評価として用いられている. しかし手術手技の直接の対象である頸部頸動脈については剥離術後の動脈内腔の形態の情報を得るために術中血管造影2)3)が主として行われてきたが, 合併症の可能性と手技に時間と手間がかかることより必ずしも普及はしていない. それに対し超音波検査は安全でhandyに使用でき, 動脈内腔の形態, 血流情報を得ることができる. そこでわれ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 32; no. 6; pp. 448 - 453
Main Authors 奥村, 浩隆, 石野, 真輔, 松本, 圭吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2004
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.32.448

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Summary:術中モニタリングを手技による術中および術後合併症を予防するためのフィードバックシステムととらえるならば, 頸動脈内膜剥離術(CEA)において脳波5), 体性感覚誘発電位7), 経頭蓋ドップラー10), などが術中脳虚血のチェックを含めた脳循環の評価として用いられている. しかし手術手技の直接の対象である頸部頸動脈については剥離術後の動脈内腔の形態の情報を得るために術中血管造影2)3)が主として行われてきたが, 合併症の可能性と手技に時間と手間がかかることより必ずしも普及はしていない. それに対し超音波検査は安全でhandyに使用でき, 動脈内腔の形態, 血流情報を得ることができる. そこでわれわれはCEA術中に超音波検査を導入することにより動脈壁とくにプラークおよび剥離後の内皮断端の形態や血行動態を術中にモニタリングし手技の問題点をより早期に把握する試みを行ってきたので報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.32.448