中枢病変の明らかでない頭位変換性下眼瞼向き眼振10例の検討
「はじめに」 頭位変換によって誘発される下眼瞼向き眼振は前庭小脳や脳幹の病変に起因するものとされ, 中枢病変を示唆する所見である. しかし近年, 中枢所見のない頭位変換性下眼瞼向き眼振(positional down-beat nystagmus;以下, p-DBNと略)が数多く報告されている. 中枢病変のないp-DBNの成因は良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo;以下, BPPVと略), 特に前半規管(anterior semicircular canal;以下, ASCと略)型BPPVとする報告が多いが, 一方でASC-BPPVを...
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Published in | Equilibrium Research Vol. 73; no. 6; pp. 533 - 537 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
2014
日本めまい平衡医学会 |
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ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.73.533 |
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Summary: | 「はじめに」 頭位変換によって誘発される下眼瞼向き眼振は前庭小脳や脳幹の病変に起因するものとされ, 中枢病変を示唆する所見である. しかし近年, 中枢所見のない頭位変換性下眼瞼向き眼振(positional down-beat nystagmus;以下, p-DBNと略)が数多く報告されている. 中枢病変のないp-DBNの成因は良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo;以下, BPPVと略), 特に前半規管(anterior semicircular canal;以下, ASCと略)型BPPVとする報告が多いが, 一方でASC-BPPVを否定する意見もあり, 一定の見解は得られていない. 今回, 中枢病変のないp-DBNの10症例を経験したので, その臨床経過をもとに本症の成因について考察したので報告する. 「対象と方法」 対象は2009年9月から2013年5月の間に, 愛媛大学耳鼻咽喉科のめまい外来を受診し, 頭位変換眼振検査でp-DBNを認め, めまい以外に神経所見のない10例である. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.73.533 |