抗てんかん薬長期投与中に急性めまい・眼球運動異常をきたした1症例
[はじめに]急性めまいの中には, 薬剤の副作用によるものが存在する. 中でも, 抗てんかん薬等の中枢神経系作用薬は, 副作用としてめまいが生じやすい薬剤として知られている. 薬剤性のめまいは, 薬剤の特定と中止, もしくは減量により, 改善をみとめる事が多く, 原因薬剤の特定が重要となる. 今回, 診断に苦慮した抗てんかん薬による急性めまいの1症例を経験したので報告する. [症例]42歳女性主訴:めまい, ふらつき 既往歴:熱性けいれん, てんかん(内服加療中)現病歴:幼少時よりてんかんで内服加療をうけていた. 最終発作は5年前で, 抗てんかん薬の現在の内服量は, 当時より同量であった. (バ...
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Published in | Equilibrium Research Vol. 71; no. 4; pp. 231 - 236 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
2012
日本めまい平衡医学会 |
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ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.71.231 |
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Summary: | [はじめに]急性めまいの中には, 薬剤の副作用によるものが存在する. 中でも, 抗てんかん薬等の中枢神経系作用薬は, 副作用としてめまいが生じやすい薬剤として知られている. 薬剤性のめまいは, 薬剤の特定と中止, もしくは減量により, 改善をみとめる事が多く, 原因薬剤の特定が重要となる. 今回, 診断に苦慮した抗てんかん薬による急性めまいの1症例を経験したので報告する. [症例]42歳女性主訴:めまい, ふらつき 既往歴:熱性けいれん, てんかん(内服加療中)現病歴:幼少時よりてんかんで内服加療をうけていた. 最終発作は5年前で, 抗てんかん薬の現在の内服量は, 当時より同量であった. (バルプロ酸ナトリウム800mg, カルバマゼピン400mg, フェノバルビタール100mg, フェニトイン300mg). しかし, 眠気などの訴えがあり, 服薬アドヒアレンスは高くなかったようである. 当院脳神経外科で1ヶ月前に服薬指導を受けていた. 第1病日めまい, ふらつき, 複視が出現し, 第4病日に当院神経内科を近医より紹介受診した. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.71.231 |