頭痛と低カリウム血症を呈した原発性アルドステロン症に対して病側副腎摘除術を施行した1症例

原発性アルドステロン症は, わが国における高血圧症患者の5-10%を占めるとされ, まれな疾患ではない. 未治療症例では高血圧持続とアルドステロンによる臓器障害の発症・進展が懸念される. 本症例は低カリウム血症を伴う高血圧から二次性高血圧症が疑われ, ACTH負荷副腎静脈サンプリング (ACTH-AVS) を含む精査の結果, 原発性アルドステロン症と診断された. 病側副腎の腹腔鏡下摘除術によりアルドステロン過剰分泌と, 血圧・電解質の改善が得られた. 二次性高血圧症におけるプライマリケアと, その後の鑑別診断・治療がすみやかに進み, 病診連携の役割分担が機能した1症例であり, ここに報告する....

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Published in順天堂医学 Vol. 57; no. 6; pp. 644 - 649
Main Authors 佐々木, 洋平, 藤目, 真, 富野, 康日己, 荻島, 達也, 来栖, 厚, 荒川, 敦, 大澤, 勲, 鈴木, 祐介, 小林, 則善, 八尾, 隆史, 中田, 純一郎, 堀越, 哲, 伊藤, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 31.12.2011
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ISSN0022-6769
2188-2134
DOI10.14789/pjmj.57.644

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Summary:原発性アルドステロン症は, わが国における高血圧症患者の5-10%を占めるとされ, まれな疾患ではない. 未治療症例では高血圧持続とアルドステロンによる臓器障害の発症・進展が懸念される. 本症例は低カリウム血症を伴う高血圧から二次性高血圧症が疑われ, ACTH負荷副腎静脈サンプリング (ACTH-AVS) を含む精査の結果, 原発性アルドステロン症と診断された. 病側副腎の腹腔鏡下摘除術によりアルドステロン過剰分泌と, 血圧・電解質の改善が得られた. 二次性高血圧症におけるプライマリケアと, その後の鑑別診断・治療がすみやかに進み, 病診連携の役割分担が機能した1症例であり, ここに報告する.
ISSN:0022-6769
2188-2134
DOI:10.14789/pjmj.57.644