人工血管を用いた頸動脈再建術
脳神経外科領域で行う血行再建術は, (1)頭蓋内血行再建, (2)頭蓋外内血行再建, (3)頭蓋外血行再建の3種類に分けられ, その多くは自家血管を用いたものである. 人工血管は, 最も太い血管を対象とする(3)頭蓋外血行再建術での中口径(6-8mm)動脈移植に使用されることがある2)4)5)7). 最近は, 従来の標準型Dacron人工血管やTeflon人工血管に代わって, Double velour Dacron代用血管(Hemashield)やGore-tex expanded polytetrafluoethylene(ePTFE)が用いられてきている7)9). 本論文では, 人工血管...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 29; no. 2; pp. 109 - 113 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2001
日本脳卒中の外科学会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.29.109 |
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Summary: | 脳神経外科領域で行う血行再建術は, (1)頭蓋内血行再建, (2)頭蓋外内血行再建, (3)頭蓋外血行再建の3種類に分けられ, その多くは自家血管を用いたものである. 人工血管は, 最も太い血管を対象とする(3)頭蓋外血行再建術での中口径(6-8mm)動脈移植に使用されることがある2)4)5)7). 最近は, 従来の標準型Dacron人工血管やTeflon人工血管に代わって, Double velour Dacron代用血管(Hemashield)やGore-tex expanded polytetrafluoethylene(ePTFE)が用いられてきている7)9). 本論文では, 人工血管を用いた頸動脈血行再建術3症例を提示し, 人工血管の適応や実際について述べる. 症例 〈症例1〉69歳男性. 主訴:失語, 右片麻痺. 既往歴, 家族歴:高血圧. 現病歴:2週間前に左一過性黒内障があった. 入院当日, 白宅にて意識消失があり, その後失語および右片麻痺がみられたため, 当院に緊急搬送された. 入院時所見:入院時, 失語および軽度右片麻痺を認めた. CTでは左前頭葉に低吸収域がみられた. 脳血管撮影で, 右内頸および総頸動脈高度狭窄, 左総頸動脈閉塞, 左椎骨動脈狭窄を認めた. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.29.109 |