ERCPにおける胆管挿管困難例のstrategy

胆道疾患の診断と治療において,選択的胆管挿管は最も重要な手技の一つであるが,経験豊富な術者にとっても胆管挿管困難な症例は存在する.胆管挿管法のトレーニングにおいてはまず安全性が重視される.初学者は指導医の監督下にまず助手を務め,可能であればシミュレータでの研鑽を積むとよい.さらに実際の患者に臨む時には戦略を明確にしておく必要がある.まず意図しない膵管挿管がある場合にはワイヤーを留置してから2つの方法で胆管挿管を目指すことができる.膵管ガイドワイヤー留置法,経膵管口プレカット法である.いずれも膵炎予防のために自然脱落型膵管ステントを留置できる.膵管挿管が得られない場合には針状メスによるプレカット...

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Published in胆道 Vol. 33; no. 1; pp. 69 - 75
Main Authors 安井, 伸, 露口, 利夫, 加藤, 直也, 三方, 林太郎, 杉山, 晴俊, 酒井, 裕司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 25.03.2019
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.33.69

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Summary:胆道疾患の診断と治療において,選択的胆管挿管は最も重要な手技の一つであるが,経験豊富な術者にとっても胆管挿管困難な症例は存在する.胆管挿管法のトレーニングにおいてはまず安全性が重視される.初学者は指導医の監督下にまず助手を務め,可能であればシミュレータでの研鑽を積むとよい.さらに実際の患者に臨む時には戦略を明確にしておく必要がある.まず意図しない膵管挿管がある場合にはワイヤーを留置してから2つの方法で胆管挿管を目指すことができる.膵管ガイドワイヤー留置法,経膵管口プレカット法である.いずれも膵炎予防のために自然脱落型膵管ステントを留置できる.膵管挿管が得られない場合には針状メスによるプレカットが選択できる.指導医としては,自らが適切に後進の指導を行えているかどうかも検証すべきで,それぞれの方法に習熟し,ひとつの方法に執着することなく対応する必要がある.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.33.69