頸動脈内膜剥離術における合併症の予防とハイリスク症例に対する対策

最近の研究により, 頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy;CEA)は, 適応基準や手術, 周術期管理において, ある条件を満たせば脳梗塞の再発を予防する有効な治療法であることが明らかとなりつつある1)14). しかし, 本手術の術中や術後に合併症が生じた場合は重篤な後遺症をきたしうることも事実である. 今回, われわれは合併症を予防するために実施している手術手技, 周術期管理, モニタリングなどについて, 特に, 75歳以上の高齢者, 高度の脳虚血や重度の全身合併症を有する例など, ハイリスク症例を中心に最近の経験を報告する. CEAの手術手技と周術期管理 2002年...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 33; no. 3; pp. 174 - 179
Main Authors 岩崎, 喜信, 石川, 達哉, 黒田, 敏, 牛越, 聡, 寺坂, 俊介, 七戸, 秀夫, 柏崎, 大奈, 鐙谷, 武雄, 浅野, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2005
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.33.174

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Summary:最近の研究により, 頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy;CEA)は, 適応基準や手術, 周術期管理において, ある条件を満たせば脳梗塞の再発を予防する有効な治療法であることが明らかとなりつつある1)14). しかし, 本手術の術中や術後に合併症が生じた場合は重篤な後遺症をきたしうることも事実である. 今回, われわれは合併症を予防するために実施している手術手技, 周術期管理, モニタリングなどについて, 特に, 75歳以上の高齢者, 高度の脳虚血や重度の全身合併症を有する例など, ハイリスク症例を中心に最近の経験を報告する. CEAの手術手技と周術期管理 2002年1月から2004年6月までの間に, 筆者が北海道大学病院, あるいは, その関連病院で実施あるいは参加したCEA30例31側を対象とした. 術前, 術中から術後にかけての周術期に, 合併症の発生を予防するためにわれわれが実施している注意点について述べる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.33.174