EUS-FNAによる診断能

自己免疫性膵炎は膵の病理像よりlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitisとidiopathic duct-centric chronic pancreatitisが存在し,それぞれ1型と2型に分類される.臨床的に膵癌との鑑別が困難なことが多く,膵癌との鑑別診断には超音波内視鏡下穿刺吸引法(以下EUS-FNA)が有用である.1型,2型ともに膵病変の病理診断がゴールドスタンダードである.1型の診断には,膵癌診断で汎用されている22G針を用いたEUS-FNAによってでも十分な組織検体が採取でき,診断が可能であることが多いが,2型の診断には限界がある.組織採取を...

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Published in膵臓 Vol. 30; no. 1; pp. 78 - 84
Main Authors 原, 和生, 肱岡, 範, 山雄, 健次, 今岡, 大, 水野, 伸匡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.02.2015
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.30.78

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Summary:自己免疫性膵炎は膵の病理像よりlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitisとidiopathic duct-centric chronic pancreatitisが存在し,それぞれ1型と2型に分類される.臨床的に膵癌との鑑別が困難なことが多く,膵癌との鑑別診断には超音波内視鏡下穿刺吸引法(以下EUS-FNA)が有用である.1型,2型ともに膵病変の病理診断がゴールドスタンダードである.1型の診断には,膵癌診断で汎用されている22G針を用いたEUS-FNAによってでも十分な組織検体が採取でき,診断が可能であることが多いが,2型の診断には限界がある.組織採取を目的に22Gコア生検針等が開発されたが,自己免疫性膵炎自体の診断に対する有用性に関しては今後の検討課題である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.30.78