下咽頭癌に対してPembrolizumab投与により発症した気管・気管支に限局した再発性多発軟骨炎の1例
背景.免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(immune-related adverse event;irAE)が各種悪性腫瘍で報告されているが,再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis;RP)は稀である.症例.63歳男性.左梨状窩下咽頭癌(扁平上皮癌,cT4aN2M0,cStage IVA)の診断で,放射線治療実施後にcetuximabを8コース投与された.その後,原発巣の増大による気管閉塞のため緊急気管切開が施行され,2nd-lineとしてcisplatin+fluorouracil+pembrolizumabを投与された.4コース目の終了後から発熱と...
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          | Published in | 気管支学 Vol. 46; no. 3; pp. 157 - 163 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
    
        25.05.2024
     日本呼吸器内視鏡学会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0287-2137 2186-0149  | 
| DOI | 10.18907/jjsre.46.3_157 | 
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| Summary: | 背景.免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(immune-related adverse event;irAE)が各種悪性腫瘍で報告されているが,再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis;RP)は稀である.症例.63歳男性.左梨状窩下咽頭癌(扁平上皮癌,cT4aN2M0,cStage IVA)の診断で,放射線治療実施後にcetuximabを8コース投与された.その後,原発巣の増大による気管閉塞のため緊急気管切開が施行され,2nd-lineとしてcisplatin+fluorouracil+pembrolizumabを投与された.4コース目の終了後から発熱と高CRP血症を認め,胸部CTで気管壁肥厚が認められたため,気管支鏡を実施された.気管の軟骨部に多発隆起性病変を認め,同部位の生検より気管粘膜に炎症細胞浸潤が認められた.CT画像,内視鏡所見からRPを疑い,ステロイド治療を開始し発熱や気管壁肥厚所見は改善した.その後ステロイド漸減中に2度の再発が認められ,再発時の抗II型コラーゲン抗体が陽性であったため,気管・気管支に限局したRPと診断した.結論.PembrolizumabのirAEと考えられる稀なRPを経験した. | 
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149  | 
| DOI: | 10.18907/jjsre.46.3_157 |