腫瘍の一部が胆管内腫瘍栓様発育を呈した浸潤型肝門部胆管癌

症例は70歳代, 男性. 悪心を主訴に前医を受診し, 肝内胆管拡張を指摘された. 初診時検査では肝・胆道系酵素の上昇(AST 100IU/dl, ALT 156IU/dl, γGTP 791IU/dl, ALP 1042IU/dl), および腫瘍マーカの上昇(CA19-9:129.6IU/ml)を認めたが黄疸を認めなかった. 画像所見:CT検査ではS1・4を主座に境界不明瞭な23×18mmの低吸収域を認めた. 腫瘍は前後区胆管合流部に及び右肝内胆管の軽度の拡張を認めていた. 腫瘤は肝S4および門脈右枝に接し, 同部への浸潤が疑われた. US検査BモードでS1・4を主座に左右肝管合流部に50mm...

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Published in胆道 Vol. 35; no. 2; pp. 230 - 236
Main Authors 松井, あや, 三橋, 智子, 平野, 聡, 大場, 光信, 桑谷, 将城, 野路, 武寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2021
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.35.230

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Summary:症例は70歳代, 男性. 悪心を主訴に前医を受診し, 肝内胆管拡張を指摘された. 初診時検査では肝・胆道系酵素の上昇(AST 100IU/dl, ALT 156IU/dl, γGTP 791IU/dl, ALP 1042IU/dl), および腫瘍マーカの上昇(CA19-9:129.6IU/ml)を認めたが黄疸を認めなかった. 画像所見:CT検査ではS1・4を主座に境界不明瞭な23×18mmの低吸収域を認めた. 腫瘍は前後区胆管合流部に及び右肝内胆管の軽度の拡張を認めていた. 腫瘤は肝S4および門脈右枝に接し, 同部への浸潤が疑われた. US検査BモードでS1・4を主座に左右肝管合流部に50mm大の内部不均一な高エコー腫瘤を認め, 一部胆管内腫瘍栓様高エコー病変を後区域胆管内に認めた. 腫瘍は左門脈に接し, 狭小化を認めた. MRCP検査では右肝管の信号途絶をみとめ, 前区域枝2本・後区域胆管枝がそれぞれ分断されて描出された.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.35.230