Endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration検体を用いた根治切除不能膵癌に対するマイクロサテライト不安定性検査の成績
【背景】高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する固形癌に対するペムブロリズマブの有効性が報告された.膵癌診療ではMSI検査を念頭に置いた適正検体の採取が重要であるが,MSI検査の解析不能に影響する因子は明らかにされていない.【方法】Endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration(EUS-FNA)で膵癌と診断した症例のMSI検査結果を前向きに集積した.【結果】MSI検査は73例中72例(98.6%)で解析可能でMSI-Hは1例だった.解析不能の1例はEUS-FNAからMSI検査まで584日を要し,検体のDNA分解が解析不能の原...
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Published in | 膵臓 Vol. 37; no. 5; pp. 257 - 264 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本膵臓学会
31.10.2022
日本膵臓学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0913-0071 1881-2805 |
DOI | 10.2958/suizo.37.257 |
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Summary: | 【背景】高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する固形癌に対するペムブロリズマブの有効性が報告された.膵癌診療ではMSI検査を念頭に置いた適正検体の採取が重要であるが,MSI検査の解析不能に影響する因子は明らかにされていない.【方法】Endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration(EUS-FNA)で膵癌と診断した症例のMSI検査結果を前向きに集積した.【結果】MSI検査は73例中72例(98.6%)で解析可能でMSI-Hは1例だった.解析不能の1例はEUS-FNAからMSI検査まで584日を要し,検体のDNA分解が解析不能の原因であった.【考察】EUS-FNA検体を用いたMSI検査は高い解析成功率を有し,解析不能に影響する因子は同定できなかったが,検体の長期保存例はDNA分解による解析不能が生じる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.37.257 |