大葉性肺炎を呈した成人発症アデノウイルス肺炎の1例

背景.感染性肺炎の画像パターンは多岐にわたるが,原発性ウイルス肺炎では片側性大葉性肺炎を呈することは稀と考えられている.症例.41歳女性.腰痛,咳嗽,発熱で発症した.胸部CTにて右上中葉に気管支透亮像を伴う大葉性肺炎を認め,入院した.広域抗菌薬治療に反応なく,気管支鏡検査を施行した.気管支肺胞洗浄液からは有意な病原体は培養されず,これを用いたポリメラーゼ連鎖反応法でアデノウイルス3型が陽性,ペア血清で抗アデノウイルス抗体価が有意に上昇したため,原発性アデノウイルス肺炎と診断した.結論.大葉性肺炎で抗菌薬が無効の場合,アデノウイルス肺炎の可能性を念頭に置く必要がある....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 45; no. 4; pp. 275 - 279
Main Authors 清水, 禎彦, 小林, 洋一, 石黒, 卓, 高柳, 昇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.07.2023
日本呼吸器内視鏡学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.45.4_275

Cover

More Information
Summary:背景.感染性肺炎の画像パターンは多岐にわたるが,原発性ウイルス肺炎では片側性大葉性肺炎を呈することは稀と考えられている.症例.41歳女性.腰痛,咳嗽,発熱で発症した.胸部CTにて右上中葉に気管支透亮像を伴う大葉性肺炎を認め,入院した.広域抗菌薬治療に反応なく,気管支鏡検査を施行した.気管支肺胞洗浄液からは有意な病原体は培養されず,これを用いたポリメラーゼ連鎖反応法でアデノウイルス3型が陽性,ペア血清で抗アデノウイルス抗体価が有意に上昇したため,原発性アデノウイルス肺炎と診断した.結論.大葉性肺炎で抗菌薬が無効の場合,アデノウイルス肺炎の可能性を念頭に置く必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.45.4_275