黄色肉芽腫性胆嚢炎の臨床像と治療上の問題点

画像診断が進歩しても胆嚢癌と黄色肉芽腫性胆嚢炎(Xanthogranulomatous cholecystitis;以下XGC)を明確に判別することは困難であるが,良性疾患であるXGCに対して過大手術をできるだけ回避する必要がある.今回,当科で経験したXGC15例を対象として,診断のポイントおよび治療上の問題点を明らかにすることを目的として検討したので報告する.XGCを強く疑う所見として,①中等度以上の胆嚢炎発作の既往歴がある,②造影CTで肥厚した胆嚢壁内に低吸収域を認める,③内腔面が均一に造影される,④短期間の経過で画像が変化する,などが挙げられた.胆嚢癌とXGCの判別が困難な症例では,術前...

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Published in胆道 Vol. 36; no. 2; pp. 136 - 144
Main Authors 宮下, 知治, 三浦, 聖子, 甲斐田, 大資, 向井, 強, 上田, 順彦, 山田, 壮亮, 宮田, 隆司, 藤田, 秀人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.05.2022
日本胆道学会
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.36.136

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Summary:画像診断が進歩しても胆嚢癌と黄色肉芽腫性胆嚢炎(Xanthogranulomatous cholecystitis;以下XGC)を明確に判別することは困難であるが,良性疾患であるXGCに対して過大手術をできるだけ回避する必要がある.今回,当科で経験したXGC15例を対象として,診断のポイントおよび治療上の問題点を明らかにすることを目的として検討したので報告する.XGCを強く疑う所見として,①中等度以上の胆嚢炎発作の既往歴がある,②造影CTで肥厚した胆嚢壁内に低吸収域を認める,③内腔面が均一に造影される,④短期間の経過で画像が変化する,などが挙げられた.胆嚢癌とXGCの判別が困難な症例では,術前にこれらXGCを示唆する項目がないかを検討し,術中は可能な限り病理診断を駆使しながら過大侵襲の手術にならないように細心の注意を払う必要がある.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.36.136