乳酸菌生成エキスが歯周病に及ぼす影響について

乳酸菌生成エキスは,整腸作用をはじめ,免疫賦活化作用などを有することが示唆されている。本研究の目的は,乳酸菌生成エキスの摂取による口腔内環境の変化を臨床パラメーターに加えて,唾液検査,細菌DNA検査により観察することである。被験者は,SPTに移行した成人男女20名とし,無作為に10名ずつ研究群とプラセボ群に分け,研究群に8週間,乳酸菌生成エキスを服用させた。なお,本研究は二重盲検法にて行った。測定項目は,臨床パラメーターとしてProbing pocket depth(PD),Bleeding on probing(BOP),Gingival Index(GI),Plaque index(PlI...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 60; no. 3; pp. 139 - 146
Main Authors 鴨井, 久博, 米倉, 圭介, 鴨井, 久一, 貴家, 康尋, 吉峰, 正彌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.09.2018
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.60.139

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Summary:乳酸菌生成エキスは,整腸作用をはじめ,免疫賦活化作用などを有することが示唆されている。本研究の目的は,乳酸菌生成エキスの摂取による口腔内環境の変化を臨床パラメーターに加えて,唾液検査,細菌DNA検査により観察することである。被験者は,SPTに移行した成人男女20名とし,無作為に10名ずつ研究群とプラセボ群に分け,研究群に8週間,乳酸菌生成エキスを服用させた。なお,本研究は二重盲検法にて行った。測定項目は,臨床パラメーターとしてProbing pocket depth(PD),Bleeding on probing(BOP),Gingival Index(GI),Plaque index(PlI)を,唾液検査項目として免疫グロブリン(S-IgA),遊離ヘモグロビン(Hb),乳酸脱水素酵素(LD),細菌検査項目としてPorphyromonas gingivalis(P.g),Treponema denticola(T.d),Tannerella forsythia(T.f),唾液内総菌数を研究開始より0(飲用前),2,4,8週で計4回測定した。その結果,研究群において,4週後ではBOPおよびGIに,また4週から8週後にかけては,総細菌数の改善傾向が認められた。PDについても研究群において経時的改善率が高い傾向が認められた。S-IgA値に2群間の差は認められなかったが,乳酸菌生成エキスの服用が歯周炎の改善に影響を与えた可能性が示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.60.139