膵原発のmixed adeno-neuroendocrine carcinomaの4切除例

混合型腺神経内分泌癌(MANEC)は,神経内分泌腫瘍(NEN)と腺癌を各々30%以上含む混合型腫瘍と定義される.膵原発のMANECは非常に稀な疾患である.当院における膵原発MANECの切除例4例を検討した.病理組織学的に腺癌との混合成分は,神経内分泌癌(NEC):3例,NET:1例であった.混合成分がNECの3例中1例は,腺癌成分による腹膜播種再発により術後3か月で原病死した.もう1例は膵腺癌の術前診断で術前化学放射線療法を行ったが,術後1か月でNEC成分が肝転移再発し,NECに対する化学療法を行い術後29か月で原病死した.残りの1例は,術後12か月無再発生存中である.一方,混合成分がNETで...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in膵臓 Vol. 33; no. 5; pp. 834 - 840
Main Authors 小林, 信, 高橋, 進一郎, 後藤田, 直人, 鈴木, 敏之, 小西, 大, 杉本, 元一, 森末, 遼
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.10.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.33.834

Cover

More Information
Summary:混合型腺神経内分泌癌(MANEC)は,神経内分泌腫瘍(NEN)と腺癌を各々30%以上含む混合型腫瘍と定義される.膵原発のMANECは非常に稀な疾患である.当院における膵原発MANECの切除例4例を検討した.病理組織学的に腺癌との混合成分は,神経内分泌癌(NEC):3例,NET:1例であった.混合成分がNECの3例中1例は,腺癌成分による腹膜播種再発により術後3か月で原病死した.もう1例は膵腺癌の術前診断で術前化学放射線療法を行ったが,術後1か月でNEC成分が肝転移再発し,NECに対する化学療法を行い術後29か月で原病死した.残りの1例は,術後12か月無再発生存中である.一方,混合成分がNETであった1例は,術後78か月無再発生存中である.膵原発MANECの臨床経過は原発巣や再発巣の組織学的診断により大きく異なり,組織学的診断に対応した治療を行うべきである.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.33.834