膵尾部癌に合併した左側門脈圧亢進症に伴う胃静脈瘤破裂に部分的脾動脈塞栓術が有効であった1例

症例は49歳男性.膵尾部癌,多発肝転移に対してFOLFIRINOX療法を施行中であった.化学療法は部分奏功であったが,左側門脈圧亢進症による胃静脈瘤破裂を繰り返した.EVL・EISを施行するも短期間で再出血を繰り返したため,部分的脾動脈塞栓症(partial splenic embolization:PSE)を異時性に2回施行し長期間再出血を制御できた.PSEは脾臓摘出術と比較して侵襲が低く,追加治療も行えるため,切除不能膵癌による左側門脈圧亢進症に伴う胃静脈瘤破裂の制御に有効な治療法である....

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Published in膵臓 Vol. 37; no. 4; pp. 166 - 174
Main Authors 秋田, 光洋, 筒井, 智章, 原田, 亮, 井上, 雅文, 沖, 健太朗, 歳森, 淳一, 吉川, 知輝, 安井, 稔博, 小橋, 春彦, 秋元, 悠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本膵臓学会 31.08.2022
日本膵臓学会
Subjects
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.37.166

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Summary:症例は49歳男性.膵尾部癌,多発肝転移に対してFOLFIRINOX療法を施行中であった.化学療法は部分奏功であったが,左側門脈圧亢進症による胃静脈瘤破裂を繰り返した.EVL・EISを施行するも短期間で再出血を繰り返したため,部分的脾動脈塞栓症(partial splenic embolization:PSE)を異時性に2回施行し長期間再出血を制御できた.PSEは脾臓摘出術と比較して侵襲が低く,追加治療も行えるため,切除不能膵癌による左側門脈圧亢進症に伴う胃静脈瘤破裂の制御に有効な治療法である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.37.166