超音波内視鏡下経胃的膵管ステント留置とESWLが有用であった膵石症の1例

症例は77歳男性.アルコール性慢性膵炎にて通院中であったが,膵頭部主膵管内の膵石陥頓に伴う閉塞性膵炎を発症し入院となった.経乳頭的膵管ドレナージを試みたが,膵石陥頓のため不成功であり,超音波内視鏡(EUS)下経胃的膵管ステント留置術を施行した.胃膵管瘻孔形成後に膵石破砕目的にてESWLを行ったところ膵石は消失し,最終的に膵管ステント留置は不要となった.術後1年以上,膵石再発を認めていない.経乳頭的治療が困難な閉塞性膵炎を伴う膵石症例に対して,EUS下経胃的膵管ステント留置およびその後のESWLは治療選択の1つとして有用である....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in膵臓 Vol. 36; no. 4; pp. 274 - 280
Main Authors 冨田, 栄一, 向井, 強, 岩田, 翔太, 奥野, 充, 手塚, 隆一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本膵臓学会 31.08.2021
日本膵臓学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.36.274

Cover

More Information
Summary:症例は77歳男性.アルコール性慢性膵炎にて通院中であったが,膵頭部主膵管内の膵石陥頓に伴う閉塞性膵炎を発症し入院となった.経乳頭的膵管ドレナージを試みたが,膵石陥頓のため不成功であり,超音波内視鏡(EUS)下経胃的膵管ステント留置術を施行した.胃膵管瘻孔形成後に膵石破砕目的にてESWLを行ったところ膵石は消失し,最終的に膵管ステント留置は不要となった.術後1年以上,膵石再発を認めていない.経乳頭的治療が困難な閉塞性膵炎を伴う膵石症例に対して,EUS下経胃的膵管ステント留置およびその後のESWLは治療選択の1つとして有用である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.36.274