前方循環に発生した出血発症仮性脳動脈瘤の検討─特にIC以外に発生した脳動脈瘤に関して

「はじめに」非分岐部に発生する脳動脈瘤は内頚動脈(internal carotid:IC)前壁動脈瘤(IC anterior wall aneurysm:ICAWA)に代表され, 血豆状動脈瘤(blister-like aneurysm)と呼ばれるように, 動脈瘤壁はきわめて脆弱か, 血栓による仮性動脈瘤の形態をとる. そのため, 通常のneck clippingは困難で, bypassを併用したtrapping術が推奨されている. その成因に関しては, 解離性動脈瘤であることが確認されている症例もあるが, その確定診断率は約20%程度であり, まだ多くの議論があるところである. また, IC...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 43; no. 5; pp. 352 - 358
Main Authors 佐藤, 裕, 毛利, 元信, 西川, 拓文, 宮, 史卓, 谷岡, 悟, 中塚, 慶徳, 北野, 祥太郎, 清水, 重利, 鈴木, 秀謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2015
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.43.352

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Summary:「はじめに」非分岐部に発生する脳動脈瘤は内頚動脈(internal carotid:IC)前壁動脈瘤(IC anterior wall aneurysm:ICAWA)に代表され, 血豆状動脈瘤(blister-like aneurysm)と呼ばれるように, 動脈瘤壁はきわめて脆弱か, 血栓による仮性動脈瘤の形態をとる. そのため, 通常のneck clippingは困難で, bypassを併用したtrapping術が推奨されている. その成因に関しては, 解離性動脈瘤であることが確認されている症例もあるが, その確定診断率は約20%程度であり, まだ多くの議論があるところである. また, IC以外に発生するものとしては, 前大脳動脈(anterior cerebral artery:ACA)や中大脳動脈(middle cerebral artery:MCA)などに発生した解離性動脈瘤の報告例が散見される程度で, その病態は不明である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.43.352