アニサキス症のユニークで簡便な治療法

アニサキス症は1960年, オランダのvanTheilらが小腸にアニサキスを確認したのが始まりである1. アニサキスの成虫は終宿主であるイルカ, クジラ, オットセイなどの胃壁に頭部を刺入した状態で寄生している. その虫卵が糞便とともに海中に排泄され, 孵化した第2期幼虫は中間宿主オキアミに摂取されて第3期幼虫となる. 待機宿主のサバ, イカ, イワシ, タラ, アジなどに寄生し, 体長20~30mmに成長する. そして, 第3期幼虫の生息する生魚をヒトが摂食することで発症する. 胃アニサキス症と腸アニサキス症があり, 感作の有無により緩和型と激症型がある. 症状の特徴は, 初感染では無症状で...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 8; no. 2; pp. 179 - 180
Main Authors 山本, 馨, 栗原, 毅, 福生, 吉裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2012
Online AccessGet full text
ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.8.179

Cover

More Information
Summary:アニサキス症は1960年, オランダのvanTheilらが小腸にアニサキスを確認したのが始まりである1. アニサキスの成虫は終宿主であるイルカ, クジラ, オットセイなどの胃壁に頭部を刺入した状態で寄生している. その虫卵が糞便とともに海中に排泄され, 孵化した第2期幼虫は中間宿主オキアミに摂取されて第3期幼虫となる. 待機宿主のサバ, イカ, イワシ, タラ, アジなどに寄生し, 体長20~30mmに成長する. そして, 第3期幼虫の生息する生魚をヒトが摂食することで発症する. 胃アニサキス症と腸アニサキス症があり, 感作の有無により緩和型と激症型がある. 症状の特徴は, 初感染では無症状であるが, 再感染で感作されている場合は, 6時間前後で1型アレルギー反応に起因する激しい心窩部痛が発生する2,3. 多くは胃アニサキス症であるが, 虫体が小腸まで到達すると腹痛のみならずイレウスを惹起することがある.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.8.179