くも膜下出血を伴わず,急性硬膜下血腫と動眼神経麻痺で発症した内頚動脈-後交通動脈分岐部破裂動脈瘤の1例 ─症例報告と文献レビュー

「緒言」頭蓋内脳動脈瘤破裂の多くは, くも膜下出血 (subarachnoid hemorrhage : SAH) を呈するが, 脳内出血 (intracerebral hemorrhage : ICH) や急性硬膜下血腫 (acute subdural hematoma : ASDH) を伴っている症例に遭遇することがある. しかし, SAHやICHを伴わず, ASDHのみを呈する (pure ASDH) 症例は非常にまれである. 今回われわれは画像上pure ASDHと左動眼神経麻痺で発症した破裂左内頚動脈-後交通動脈分岐部 (internal carotid-posterior comm...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 47; no. 5; pp. 373 - 380
Main Authors 林, 直樹, 川西, 正彦, 苧坂, 邦彦, 苧坂, 直博, 田宮, 隆, 新堂, 敦, 大久保, 修一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2019
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.47.373

Cover

More Information
Summary:「緒言」頭蓋内脳動脈瘤破裂の多くは, くも膜下出血 (subarachnoid hemorrhage : SAH) を呈するが, 脳内出血 (intracerebral hemorrhage : ICH) や急性硬膜下血腫 (acute subdural hematoma : ASDH) を伴っている症例に遭遇することがある. しかし, SAHやICHを伴わず, ASDHのみを呈する (pure ASDH) 症例は非常にまれである. 今回われわれは画像上pure ASDHと左動眼神経麻痺で発症した破裂左内頚動脈-後交通動脈分岐部 (internal carotid-posterior communicating : IC-PC) 動脈瘤の治療を経験したので報告する. 「症例」症例は41歳, 女性. 既往歴, 家族歴に特記すべきことはなく, 1日20本の喫煙歴を有する. 2日前より頭痛が出現し, さらに激しい頭痛をきたしたとのことで当院に初診となった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.47.373