前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤に対する開頭クリッピング術と術後虚血合併症の検討
「はじめに」前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤 (anterior choroidal artery aneurysm : AChA瘤) は, 全脳動脈瘤の2-5%程度とされる低頻度な動脈瘤である. AChAは通常, 後交通動脈分岐部の遠位側で内頚動脈の外側後方から分岐したのち, 後方のchoroidal fissure内を走行し, 側脳室下角の脈絡叢に分布するとされる. 通常太さは平均0.75mm (0.38-2.0mm) 程度であるが, その灌流域には内包後脚をはじめとした重要構造物も含まれ, 同血管の血流不全は対側の片麻痺および呂律障害のほか, ときには意識障害や感覚脱失および視野障害を呈する比較...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 47; no. 5; pp. 337 - 342 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2019
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.47.337 |
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Summary: | 「はじめに」前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤 (anterior choroidal artery aneurysm : AChA瘤) は, 全脳動脈瘤の2-5%程度とされる低頻度な動脈瘤である. AChAは通常, 後交通動脈分岐部の遠位側で内頚動脈の外側後方から分岐したのち, 後方のchoroidal fissure内を走行し, 側脳室下角の脈絡叢に分布するとされる. 通常太さは平均0.75mm (0.38-2.0mm) 程度であるが, その灌流域には内包後脚をはじめとした重要構造物も含まれ, 同血管の血流不全は対側の片麻痺および呂律障害のほか, ときには意識障害や感覚脱失および視野障害を呈する比較的重篤なAChA症候群を引き起こすとされる. AChA瘤に対する外科的治療においては, morbidity rateが6-33%であり, 中でも外科的治療に起因するAChA領域の梗塞が12-22.6%に生じるとされ, 他部位の脳動脈瘤と比較しても治療の困難な瘤である. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.47.337 |