椎骨動脈─総頚動脈転位術後に鎖骨下動脈stentingを施行した椎骨動脈起始部狭窄を伴う鎖骨下動脈狭窄症の1例

「はじめに」鎖骨下動脈狭窄症の症状には椎骨脳底動脈領域の脳虚血症状と患側上肢の冷感, しびれなどの上肢症状がある3)8). 従来, 鎖骨下動脈狭窄症の外科治療としては観血的血行再建術が行われてきたが4)5), 最近では侵襲性の低いstent留置術が選択される場合が多い2)7)9). 一方, 鎖骨下動脈の狭窄が椎骨動脈起始部を含む場合にはステント治療の難易度が格段に上がることになる. 今回, 鎖骨下動脈狭窄症が椎骨動脈起始部を含み, 椎骨動脈狭窄症を合併した症例に対し, 椎骨動脈─総頚動脈転位術後に鎖骨下動脈にステント留置を行い良好な結果を得ることができた症例を経験したので報告する. 「症例」患...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 40; no. 3; pp. 194 - 197
Main Authors 佐藤, 慎哉, 近藤, 礼, 山木, 哲, 伊藤, 美以子, 嘉山, 孝正, 長畑, 守雄, 齋藤, 伸二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2012
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.40.194

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Summary:「はじめに」鎖骨下動脈狭窄症の症状には椎骨脳底動脈領域の脳虚血症状と患側上肢の冷感, しびれなどの上肢症状がある3)8). 従来, 鎖骨下動脈狭窄症の外科治療としては観血的血行再建術が行われてきたが4)5), 最近では侵襲性の低いstent留置術が選択される場合が多い2)7)9). 一方, 鎖骨下動脈の狭窄が椎骨動脈起始部を含む場合にはステント治療の難易度が格段に上がることになる. 今回, 鎖骨下動脈狭窄症が椎骨動脈起始部を含み, 椎骨動脈狭窄症を合併した症例に対し, 椎骨動脈─総頚動脈転位術後に鎖骨下動脈にステント留置を行い良好な結果を得ることができた症例を経験したので報告する. 「症例」患者:73歳, 男性. 既往歴:10年前より高血圧症にて降圧剤内服, 3年前から心房細動にてワルファリン内服中であった. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:半年前から左上肢の冷感が出現した. 2カ月前より風呂上がりにめまいが時々出現するようになったが, 短時間で消失するため放置していた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.40.194