エコチル調査における化学物質曝露評価

「1. はじめに」環境省事業「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」は, 2010年に開始された大規模出生コホート研究である. エコチル調査では, 胎児期及び小児期の環境要因, 特に化学物質への曝露が子どもの健康, 発達に影響するかどうかを調査する. その特徴として, 1) 10万人の妊婦を対象とする大規模調査であること, 2) 生まれた子どもを13歳になるまで追跡調査する長期前向きコホート調査であること, 3) 妊娠期間中の母親(可能な場合父親も)の生体試料(血液, 尿), 出産時の生体試料(母親試料, 臍帯血試料), 生後の試料(母乳, 子ども試料等)を幅広く採取し, バイオ...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 73; no. 2; pp. 156 - 163
Main Authors 岩井, 美幸, 竹内, 文乃, 磯部, 友彦, 小林, 弥生, 中山, 祥嗣, 小栗, 朋子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2018
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.73.156

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Summary:「1. はじめに」環境省事業「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」は, 2010年に開始された大規模出生コホート研究である. エコチル調査では, 胎児期及び小児期の環境要因, 特に化学物質への曝露が子どもの健康, 発達に影響するかどうかを調査する. その特徴として, 1) 10万人の妊婦を対象とする大規模調査であること, 2) 生まれた子どもを13歳になるまで追跡調査する長期前向きコホート調査であること, 3) 妊娠期間中の母親(可能な場合父親も)の生体試料(血液, 尿), 出産時の生体試料(母親試料, 臍帯血試料), 生後の試料(母乳, 子ども試料等)を幅広く採取し, バイオマーカーを用いた精密な曝露評価を行うこと, 4) 化学物質以外の幅広い環境要因(大気汚染, 居住環境, 子育て環境, 母親ストレス, コミュニティーサポート, 社会経済指標等)の測定を行うこと, 5) それにより複数の環境要因の影響を同時に評価することが可能であることなどが挙げられ, 世界的にも注目される調査である.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.73.156