ステロイド性骨粗鬆症予防に対する薬物療法の実態と特徴
「緒言」ステロイド性骨粗鬆症(glucocorticoid-induced osteoporosis: GIO)は, 続発性骨粗鬆症の代表的な病態の1つであり, 長期的な糖質コルチコイド(glucocorticoid: GC)治療によって引き起こされる医原性合併症として知られている. GCは主に抗炎症作用や免疫抑制作用を期待して投与され, 自己免疫疾患, 呼吸器疾患および血液疾患など多領域の疾患に対して適応を有するため, 幅広い診療科から処方される薬剤である. これまでの報告によれば, GC は総人口の約0.79-1.2%に投与されており, 経口GCが投与された患者の骨折リスクは投与開始から3...
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| Published in | 医療薬学 Vol. 49; no. 2; pp. 66 - 73 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.02.2023
日本医療薬学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI | 10.5649/jjphcs.49.66 |
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| Summary: | 「緒言」ステロイド性骨粗鬆症(glucocorticoid-induced osteoporosis: GIO)は, 続発性骨粗鬆症の代表的な病態の1つであり, 長期的な糖質コルチコイド(glucocorticoid: GC)治療によって引き起こされる医原性合併症として知られている. GCは主に抗炎症作用や免疫抑制作用を期待して投与され, 自己免疫疾患, 呼吸器疾患および血液疾患など多領域の疾患に対して適応を有するため, 幅広い診療科から処方される薬剤である. これまでの報告によれば, GC は総人口の約0.79-1.2%に投与されており, 経口GCが投与された患者の骨折リスクは投与開始から3-6カ月以内に上昇し, また骨折リスク増加がGCの1日投与量と強く関連する. 骨折リスク上昇に伴い患者が骨折に至った場合, 患者の日常生活動作(activities of daily living: ADL)や生活の質(quality of life: QOL)の低下が問題となる. |
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| ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI: | 10.5649/jjphcs.49.66 |