未破裂脳動脈瘤クリッピング術後の慢性硬膜下血腫

「はじめに」当施設では, 脳動脈瘤治療は破裂・未破裂とも血管内手術第1選択で行っており, 過去5年の脳動脈瘤手術症例のうちクリッピング術は10%を占めるのみであった. このように, クリッピング術が第2選択である当施設であるが, 術後慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma : CSDH)の発生に悩まされることが少なくない. 当施設における開頭クリッピング術の対象は, クリッピング術を第1選択とする他施設とは異なる. 当施設での術後CSDHの発生率, 発生要因を明らかにするため, 最近の未破裂動脈瘤術後CSDHについて後方視的な検討を行うことにした. 「対象と方法」2...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 44; no. 6; pp. 453 - 460
Main Authors 戸根, 修, 橋本, 秀子, 佐藤, 洋平, 橋本, 聡華, 玉置, 正史, 原, 睦也, 原, 祥子, 金子, 聡, 渡邊, 顕弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2016
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.44.453

Cover

More Information
Summary:「はじめに」当施設では, 脳動脈瘤治療は破裂・未破裂とも血管内手術第1選択で行っており, 過去5年の脳動脈瘤手術症例のうちクリッピング術は10%を占めるのみであった. このように, クリッピング術が第2選択である当施設であるが, 術後慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma : CSDH)の発生に悩まされることが少なくない. 当施設における開頭クリッピング術の対象は, クリッピング術を第1選択とする他施設とは異なる. 当施設での術後CSDHの発生率, 発生要因を明らかにするため, 最近の未破裂動脈瘤術後CSDHについて後方視的な検討を行うことにした. 「対象と方法」2010年1月から2014年4月までに, 当院で開頭クリッピング術を施行した未破裂脳動脈瘤症例を対象とした. 全例, 前方循環の脳動脈瘤であった. くも膜下出血の既往がある場合は, 破裂脳動脈瘤手術から30日以上経過した場合のみ対象に含めた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.44.453