ナルフラフィン口腔内崩壊フィルム剤の製剤学的特性の評価
「緒言」皮膚そう痒症は, 発疹が出現せずとも痒みが認められる疾患であり, 血液疾患, 内分泌疾患, 感染症や妊娠, 薬剤性などのほか尿毒症性患者の10-70%, 慢性C型肝炎患者の21.3%に認められる. 長期的な痒みは生活の質を低下させるとともに精神的苦痛が大きく, さらに掻痒感の標準薬である抗ヒスタミン薬の効果は乏しい. この課題に対して選択的オピオイドκ受容体作動薬であるナルフラフィンが, 皮膚そう痒症の改善を適用疾患として本邦において2009年に発売された. ナルフラフィンは特に血液透析患者, 慢性肝疾患患者における無作為化比較試験において皮膚そう痒症における有効性が確認されており,...
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          | Published in | 医療薬学 Vol. 48; no. 1; pp. 53 - 58 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人日本医療薬学会
    
        10.01.2022
     日本医療薬学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1346-342X 1882-1499  | 
| DOI | 10.5649/jjphcs.48.53 | 
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| Summary: | 「緒言」皮膚そう痒症は, 発疹が出現せずとも痒みが認められる疾患であり, 血液疾患, 内分泌疾患, 感染症や妊娠, 薬剤性などのほか尿毒症性患者の10-70%, 慢性C型肝炎患者の21.3%に認められる. 長期的な痒みは生活の質を低下させるとともに精神的苦痛が大きく, さらに掻痒感の標準薬である抗ヒスタミン薬の効果は乏しい. この課題に対して選択的オピオイドκ受容体作動薬であるナルフラフィンが, 皮膚そう痒症の改善を適用疾患として本邦において2009年に発売された. ナルフラフィンは特に血液透析患者, 慢性肝疾患患者における無作為化比較試験において皮膚そう痒症における有効性が確認されており, 皮膚そう痒症診療ガイドライン2020においても推奨されている. その製剤はカプセル, 口腔内崩壊(orally disintegrating: OD)錠剤, ODフィルム剤など多岐にわたるが, 服薬時に水分を必要としないOD錠剤, ODフィルム剤(合わせてOD製剤と表現する)は, 厳密な水分制限を必要とする患者において望ましい選択となり得る. | 
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| ISSN: | 1346-342X 1882-1499  | 
| DOI: | 10.5649/jjphcs.48.53 |