未破裂脳動脈瘤における穿通枝温存のためのBlading technique

「はじめに」 未破裂脳動脈瘤の手術成績を少しでも高めるためには, 種々のポイントがあるが, その中でも重要なことは, 穿通枝血流障害を回避することである. 最近はMEP, ICGなどのモニタリングが活用されるようになってきたが, 依然として特に動脈瘤の奥に存在し, 視認しにくい穿通枝をいかに傷めず温存するかということは重要な課題である. 動脈瘤のクリッピングに関する種々のアプローチ論は枚挙にいとまがないが, clip bladeの動きや利用の仕方について述べられている報告は, あまり見当たらない. 未破裂脳動脈瘤のクリッピング術においてはまず第一に, 無血で視野が十分確保できる適切な範囲の術野...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 6; pp. 397 - 401
Main Authors 九社前, 美香, 松本, 政輝, 藪崎, 肇, 入江, 亮, 川内, 雄太, 鷲見, 賢司, 広瀬, 瑛介, 和田, 晃, 水谷, 徹, 杉山, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.42.397

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Summary:「はじめに」 未破裂脳動脈瘤の手術成績を少しでも高めるためには, 種々のポイントがあるが, その中でも重要なことは, 穿通枝血流障害を回避することである. 最近はMEP, ICGなどのモニタリングが活用されるようになってきたが, 依然として特に動脈瘤の奥に存在し, 視認しにくい穿通枝をいかに傷めず温存するかということは重要な課題である. 動脈瘤のクリッピングに関する種々のアプローチ論は枚挙にいとまがないが, clip bladeの動きや利用の仕方について述べられている報告は, あまり見当たらない. 未破裂脳動脈瘤のクリッピング術においてはまず第一に, 無血で視野が十分確保できる適切な範囲の術野を心がけ, マイクロハサミや道具を安全で正確に使用することが大切であるが, さらに, clip操作の際, clipが閉じ切るまでbladeの先端を視認し, 最終的に適切な深度, 位置にclipを留置することが基本的でかつ重要なことである.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.397