頭蓋骨骨折と急性硬膜下血腫を伴った前頭蓋窩硬膜動静脈瘻の1例

「はじめに」前頭蓋窩硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula : DAVF)は, 頭蓋内DAVFの約6%を占める比較的まれな疾患である. 前頭蓋窩DAVFはdural sinusを介さずにcortical veinへのdirect drainageによる静脈圧亢進のため, 頭蓋内出血の頻度が高い(62-91%)といわれている. 出血部位は脳内血腫やくも膜下出血が多く, 急性硬膜下血腫は比較的まれである. われわれが検索した限り, 外傷を契機として急性硬膜下血腫を発症した前頭蓋窩DAVF症例は, 今までに報告はない. 今回われわれは, 頭蓋骨骨折を伴った急性硬膜下血腫...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 44; no. 6; pp. 473 - 476
Main Authors 吉田, 一彦, 山田, 真輔, 竹内, 浩明, 菊田, 健一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2016
日本脳卒中の外科学会
Subjects
3D CT angiography
acute subdural hematoma
anterior cranial fossa
dural arteriovenous fistula
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.44.473

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Summary:「はじめに」前頭蓋窩硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula : DAVF)は, 頭蓋内DAVFの約6%を占める比較的まれな疾患である. 前頭蓋窩DAVFはdural sinusを介さずにcortical veinへのdirect drainageによる静脈圧亢進のため, 頭蓋内出血の頻度が高い(62-91%)といわれている. 出血部位は脳内血腫やくも膜下出血が多く, 急性硬膜下血腫は比較的まれである. われわれが検索した限り, 外傷を契機として急性硬膜下血腫を発症した前頭蓋窩DAVF症例は, 今までに報告はない. 今回われわれは, 頭蓋骨骨折を伴った急性硬膜下血腫に対して, 術前の3D CT angiography(3D CTA)にて診断した前頭蓋窩DAVFの1例を経験したので報告する. 「症例」患者:70歳, 男性. 既往歴:特記すべき事項なし.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.44.473