脳底動脈瘤に対するsubtemporal approach

「はじめに」脳底動脈瘤の根治術は, 近年では血管内治療を第一選択とする施設が多いと思われる. しかし, 血管内治療が不向きであったり, 浅側頭動脈-上小脳動脈吻合術などの血行再建が必要となることもあるため, 脳底動脈瘤に対するsubtemporal approachは習得したい技術である. 脳底動脈瘤に対する主要な手術法としてtranssylvian approachがあるが, その長所として, 慣れている手技であること, 対側の構造物が確認しやすいこと, 短所として, 動脈瘤や瘤への到達過程における解剖学的バリエーションによって難易度が変わり, ときにエクスパートな技術が必要になること, が...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 48; no. 6; pp. 453 - 457
Main Authors 久保, 慶高, 幸治, 孝裕, 村上, 寿孝, 紺野, 広, 南波, 孝昌, 小笠原, 邦昭, 樫村, 博史, 太田原, 康成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.48.453

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Summary:「はじめに」脳底動脈瘤の根治術は, 近年では血管内治療を第一選択とする施設が多いと思われる. しかし, 血管内治療が不向きであったり, 浅側頭動脈-上小脳動脈吻合術などの血行再建が必要となることもあるため, 脳底動脈瘤に対するsubtemporal approachは習得したい技術である. 脳底動脈瘤に対する主要な手術法としてtranssylvian approachがあるが, その長所として, 慣れている手技であること, 対側の構造物が確認しやすいこと, 短所として, 動脈瘤や瘤への到達過程における解剖学的バリエーションによって難易度が変わり, ときにエクスパートな技術が必要になること, が挙げられる. 一方, 本稿で述べるsubtemporal approachの利点は, 病変に早く到達できること, 低位の病変にも対応可能であることだが, 欠点としては動眼神経麻痺と側頭葉損傷を合併し得ること, 対側のP1や穿通枝の確認が難しいこと, が挙げられる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.453